今年も風邪の季節がやってきました。
ひと冬に何度も風邪を引くという人も少なくないのでは・・・。
「風邪は万病のもと」といわれてますが、長引かせると様々な合併症を引き起こします。
抵抗力をつけ、手洗い、うがいなどで予防しましょう。また、風邪をひいてしまったら、ひきはじめ
が肝心です。早めの手当てを心がけましょう。

漢方薬は症状や風邪をひいてからどれくらいたっているか、その人、その人の証によって
薬を決めます。
今回はどのような薬が使われるか紹介します。

正確には「風邪症候群」といわれ、鼻からのど、気管支にかけて粘膜の炎症によって起こる
病気で、大半がウイルスの感染でおこります。原因となるウイルスの種類はインフルエンザ
ウイルス、パラインフルエンザウイルス、アデノウイルス、ライノウイルス、マイコプラズマ、
急性腸炎ウイルスなど200種類以上あり、病状も様々です。

○ 風邪を誘発する要因
   ・疲労やストレスの蓄積
   ・季節の変わり目や気候が不順
   ・抵抗力の低下(他の病気により抵抗力の低下している人、抵抗力の弱い子供、老人など)
   ・睡眠不足
   ・栄養バランスの悪い食事
   ・喫煙

○ 風邪による症状
   ・鼻水、くしゃみ
   ・全身の違和感、倦怠感
   ・頭痛、寒け
   ・発汗など

インフルエンザ 一般的な風邪
発症 急激に発症 いつのまにか発症
主な症状 期に頭痛、悪寒がある。
発熱、関節痛、筋肉痛、倦怠感などの全身症状
が見られる。
くしゃみ、鼻水、鼻ずまり、
咽喉の痛み、咳などの症状が見られる。
発熱 高い(39℃〜40℃) 平熱〜39℃
食欲 ない。 余り普段と変わらない。
ワクチン ある。 ない。
合併症 肺炎、脳症、脳炎など 中耳炎、急性扁桃腺炎、
急性腎盂炎など

●風邪の予防

  ・家に帰ったら、まず最初にうがい、手洗いをしましょう。
  ・人混みの中になるべく行かないようにしましょう。出かける時はマスクをしましょう。
  ・免疫力を高めるために、果物(ビタミンC)や豚肉、ニンニク、豆腐(ビタミンB1)などバランス
   の良い食事を心がけましょう。
  ・睡眠は免疫を高めるリンパ球が増えることにも関係します。十分な睡眠を取りましょう。

●風邪をひいたとき


  ・身体を温めて部屋を暖かくし、湿度を60〜80%に保つようにしましょう。
  ・普段より十分な睡眠を取りましょう。
  ・身体を温める食べ物(しょうが、卵、くずなど)を食べ、細胞の抵抗力を高めるビタミンAや
   ビタミンC(果物、野菜)を含むものを積極的に取りましょう。
  ・入浴は控えましょう。

病期は、太陽病(病邪がまだ体表に存在している。)
                 ↓↓ 
     少陽病(病邪が体表と深部に存在している。)
                   ↓↓
     陽明病(病邪が完全に深部に進行している。)
の段階で進行します。

「太陽病」は、風邪のひきはじめの段階で、浮脈、頭痛、発熱、悪寒などが見られます。
体力のある人(実証)で悪寒、発熱などの症状のある人は麻黄湯、葛根湯などで発汗させます。
また咳、鼻水、うすい痰の出る場合は小青竜湯がよく使われます。
体力がない(虚証)で発汗のある人は桂枝湯などで身体を温めて抵抗力を高めます。

「少陽病」は発熱、往来寒熱、嘔吐、関節痛などの症状が見られます。体力が普通(中間証)
の人は柴胡桂枝湯、小柴胡湯などの柴胡剤が含まれた処方が使われます。
熱は下がったが激しい咳だけが残り、頻発している場合は麦門冬湯が使われます。
麦門冬湯には朝鮮人参が配合されているため抵抗力がつきます。

「陽明病」はさらに経過し、食欲不振、便秘、腹部膨満など消化器系にも徐々に影響が
出て始め高熱が続き、多量の汗をかきます。
この場合は解熱作用のある石膏を配合した白虎湯類を用います。

以上のように漢方では症状だけなく一人一人の「病期」や「虚実」を見極め、診断し、
処方を決めます。

参考・・・傷寒論では「病邪に感染すると太陽病⇒陽明病⇒少陽病に移行する。」と記述して
いますが、他説として太陽病の次に少陽病、次に陽明病とする説もあります。

傷寒論・・・「太陽病⇒陽明病⇒少陽病⇒太陰病⇒少陰病⇒厥陰病」
他説・・・・・「太陽病⇒少陽病⇒陽明病⇒太陰病⇒少陰病⇒厥陰病」

葛根湯
(カッコントウ)

(第2類医薬品)
実証〜中間証で風邪の初期に悪寒、発熱、項背部の
こわばり、頭痛などがある人。自然発汗を伴わない人
に用います。
桂枝湯
(ケイシトウ)

(第2類医薬品)
中間証〜虚証で風邪の初期に悪寒、発熱、頭痛などが
あり、自然発汗を伴う人に用います。
小青竜湯
(ショウセイリュウトウ)

(第2類医薬品)
中間証で咳、喘鳴、くしゃみ、鼻水、うすい水様の痰が
出るなどの症状がある人。心窩部振水音を認めることが
あります。気管支炎を起こしている人にも用います。
麦門冬湯
(バクモンドウトウ)

(第2類医薬品)
虚証で発作性の激しい咳が頻発し、顔面が紅潮し、
粘稠で切れにくい痰のある人。そのため嘔吐を誘発
したり、咽喉が乾燥し、声が枯れたりする人に用います。
小柴胡湯
(ショウサイコトウ)

(第2類医薬品)
実証〜中間証で胸脇苦満があり、往来寒熱(発熱と悪寒
が交互に起こる症状)や身熱があって口が苦いなどの
症状がある人。
他に悪心、嘔吐、食欲不振などを伴うこともあります。
柴胡桂枝湯
(サイコケイシトウ)
(第2類医薬品)
中間証〜虚証で風邪を引いてから2〜3日たった状態で
往来寒熱があり、頭痛、悪心、嘔吐、身体痛、口が苦く
食欲不振などがある人。
麻黄附子細辛湯
(マオウブシサイシントウ)
(第2類医薬品)
虚証で風邪の初期に悪寒、微熱、全身倦怠感、無気力
などの症状がある人。頭痛、咳、水様性鼻水、手足の
冷えや痛みなどを伴う事が多いです。
香蘇散
(コウソサン)
(第2類医薬品)
胃腸虚弱の虚証で風邪の初期に気分がすぐれず、頭痛、
耳鳴り、眩暈などの精神神経症状がある人。
麻黄湯
(マオウトウ)
(第2類医薬品)
実証で風邪の初期に悪寒、発熱、関節痛、腰痛、喘咳
などの症状がある人。
自然発汗を伴わない人に用います。
真武湯
(シンブトウ)
(第2類医薬品)
虚証で新陳代謝が沈衰しているため腹痛、下痢、全身
倦怠感、手足の冷え、眩暈、心悸亢進などの症状が
ある人。
葛根湯加川キュウ辛夷
(カッコントウカケンキュウシンイ)
(第2類医薬品)
実証〜中間証で鼻ずまり、頭痛、頭重、発熱、項背部の
こわばりのある人。
柴朴湯
(サイボクトウ)
(第2類医薬品)
胸脇苦満、心窩部の膨満感があり、喘鳴や咳、動悸、
食欲不振、全身倦怠感、眩暈、咽喉の異物感のある人。
気管支喘息、気管支炎を起こしやすい人。
補中益気湯
(ホチュウエキトウ)
(第2類医薬品)
虚証で体力が低下し、全身倦怠感、食欲不振、貧血など
がある人。微熱や盗汗、動悸などを伴うことがあります。
◎以上が良く使われる漢方処方で 煎じ薬 1日分 約250円+税〜500円+税
                     粉末  1日分 約180円+税〜390円+税です。

★ 補中益気湯は簡単に服用できる液(1回160円)もございます。
  見本をいつでもお送りします。

オオバコ
(生薬名 車前草)

(第3類医薬品)
全草にはアウクビン、プランタギン等が含まれ、鎮咳
去痰、消炎、利尿作用があります。
1日量約10〜20gを水600cc〜800ccで煎じてお茶
代わりに常用します。
オオバコ(全草)
500g 1,500円+税
オオバコ(粉末)
500g 2,000円+税
南天実
(ナンテンジツ)

(第2類医薬品)
果実にはアルカロイドのドメスチン等が含まれ、鎮咳
作用がある為、咳止め、喘息等に用います。
1日量約5〜10gを水600cc〜800ccで煎じてお茶
代わりに常用します。
南天実(果実)
500g 4,500円+税
桔梗根
(キキョウコン)

(第3類医薬品)
根にはサポニン、イヌソン等が含まれ、鎮咳、排膿、
去痰作用がある為、咳止め、喘息等に用います。
1日量約5gを水600ccで煎じて1日2〜3回服用
します。漢方処方に加える事が多いです。
桔梗(根)
500g 3,500円+税
桔梗(根)(粉末)
500g 3,500円+税
サフラン
(生薬名 番紅花)
(第3類医薬品)
サフランの雌しべを乾燥したものにはサフラナール
などが含まれ、鎮痛、鎮静作用があるため、風邪、
頭痛などに用います。
1日量約0.5gを数回に分けたものにその都度熱湯を
注いで飲用します。
注)強い通経作用があるので妊婦又は妊娠の可能性
のある方は使用してはいけません。
サフラン(花柱)
1g 800円+税
地竜
(ジリュウ)
(第3類医薬品)
地竜はミミズを干して乾燥したもので、主に利尿効果
解熱鎮痛効果がある為、風邪薬として使われます。
その他に気管支拡張作用があるため気管支喘息に
用いられることもあります。
1日量約5gを煎じて1日3回食前に服用します。
地竜
500g 5,000円+税
その人によって症状や体質は異なります。
あなたに合わせたオーダーメイドの漢方処方を調合します。
ぜひ一度やなぎ堂薬局にご相談ください。
Copyright(C)2004 yanagidou All Rights Reserved

.